誰にも言えない悩みを抱えていると、まるで自分だけが暗闇の中にいるような気持ちになります。私たちは自分の弱音を無理やり飲み込んでしいます。でも、どうか聞いてください。弱音を吐くことは決して悪いことではありません。それどころか、とても大切なことです。
仏教には「諸行無常」という教えがあります。「すべてのものは変わり続ける」というこの教えは、私たちの悩みや苦しみもまた永遠ではないことを示しています。たとえ今、どんなに深い闇の中にいると感じても、必ずその先には光が差し込むときがきます。
私自身も、過去にどうしようもないほどの苦しみを経験したことがあります。悩みを誰にも話せず、「迷惑をかけてはいけない」「自分ひとりでなんとかしなければ」と思い込んでいました。そんな私が救われたのは、ある日、ほんの少しだけ弱音を吐けたときのことでした。「つらいんだ」「助けてほしい」と言葉にしたとき、家族がそっと寄り添ってくれました。
それでも、頼るのは簡単ではありませんよね。でも、心の中に秘めたその思いを、ほんの少しだけでも外に出してみてください。家族や友人でも、信頼できる人でも、話せる相手がいないときは、紙に書き出してみるだけでもいいのです。その一歩を踏み出すことで、心に少しずつ余裕が生まれます。
ぐっすり眠れているでしょうか？きちんと食事を取れていますか？睡眠や食事は、心の健康を支える大事な柱です。温かいスープを一口飲んでみたり、パンを一切れかじってみたり。体をゆっくり休めたりすることで心がほぐれます。
そのうえで、どうか「大丈夫」という言葉を心の中や口に出してみてください。「大丈夫」と繰り返すことで、少しずつ心が必ず和らぎます。「言葉は力を持つ」という考えがあります。
悩みの解決策が見つからず、不安に押しつぶされそうなときでも、「南無阿弥陀仏」を心の中で、あるいは声に出して唱えることで、不思議と心が落ち着いてきます。
また、もしその悩みが深刻で、心の病へとつながるような状況であれば、専門家に相談することもひとつの大切な選択肢です。「自分がこんなことで病院に行ってもいいのだろうか」「おかしいと思われるのでは」と感じることもあるでしょう。でも、専門家に頼ることもまた、自分を守り救うための大事な一歩です。
私たちは、ひとりではありません。どんなに深い悩みでも、家族や友人、宗教や専門家など、頼れる存在に少しでも支えを求めることで、心が少しずつ解放されていきます。悩みの大小は人それぞれですが、それがその人にとって真剣で大切なものであることに変わりはありません。
まずは、眠ること、食べること、そして「大丈夫」と口にすることから始めてみましょう。そして迷いや不安を感じるときは、どうか「南無阿弥陀仏」のお念仏を唱えてみてください。
南無阿弥陀仏
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