酷暑の中、「体がだるい」「気持ちがすっきりしない」そんな“夏の疲れ”を感じておられる方も多いのではないでしょうか。実は、私も、この夏はすっかり夏バテをいたしました。お経も掃除も手につかず、そして「南無阿弥陀仏」とお称えする声さえ、力が入らなくなってしまったのです。心も体も弱っているときには、その一声すら遠くなることもある。この夏、私はそのことを身をもって感じました。そんなとき、改めて思い知らされたのは、
まずは、食べること。
糖分・糖質――なかでもお米にふくまれるエネルギーは、私たちの体だけでなく、心をも支える力です。栄養が足りなければ、イライラしたり、不安になったり、やさしい気持ちや、念仏の声すら出にくくなってしまいます。
次に、休むこと。
食前のことば
われここに食をうく、つつしみて、天地の恵みと人々の労を謝し奉る。いただきます。
食後のことば
われ食を終りて、心豊かに力身に満つ、おのがつとめにいそしみ、誓って、御恩にむくい奉らん。ごちそうさま
疲れているときに無理をするのではなく、深呼吸をし、静かに横になることも、ひとつの修行です。また、暑さをがまんしすぎるのではなく、冷房も、知恵のひとつ。ありがたく、適切に使わせていただきましょう。
「いただきます」は、天地のいのちへの感謝。「ごちそうさま」は、そのいのちを生かす私たちの誓い。
元気がないときは、無理にがんばらずに、ごはんを食べ、少し休み、涼しく過ごし、その力が戻ったときに、そっと「南無阿弥陀仏」と称えてみてください。どうぞこの夏も、阿弥陀さまの大いなる慈悲のなかで、心と体をいたわりながら、お念仏とともにお過ごしください。
南無阿弥陀仏
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