私たちは、死んだらどうなるのか、誰もが一度は考えたことがあるでしょう。不安や恐れを抱きます。しかし、浄土宗の教えは、私たちに希望を与えてくれます。
私たちの世界は、六道輪廻の中にあります。六道とは、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天の六つの世界です。私たちは、生前の行いによって、死後この六つの世界のいずれかに生まれ変わるとされています。これを輪廻転生といい、苦しみの連鎖から抜け出せない状態です。まるで迷路のように、同じ場所をぐるぐると回り続けているようなものです。
しかし、絶望する必要はありません。この六道と極楽浄土は、実は地続きなのです。私たちが迷い続けているすぐそばに、阿弥陀仏の極楽浄土があるのです。そして、阿弥陀仏はすべての人を救いたいと願っており、その慈悲の光は常に私たちを照らしています。閻魔様の審判も、地獄に落ちることもありません。
ある時、檀家の方から「亡くなったおじいちゃんは、どこにいるのでしょうか」と尋ねられました。私は迷わず「極楽浄土にいらっしゃいますよ」とお答えしました。するとその方は、安堵の表情を浮かべ、「そう言っていただけると安心します」と仰いました。阿弥陀仏の本願を信じ、念仏を称える人は、必ず極楽へ往生できるます。
浄土宗では「即得往生」という教えがあります。「即」とは今この瞬間、「得」とは阿弥陀仏の功徳、「往生」とは極楽浄土へ生まれることを意味します。つまり、今この場で、阿弥陀仏の力によって、極楽往生が定まっているということです。
南無阿弥陀仏と念仏を称えることは、阿弥陀仏の慈悲にすがり、極楽浄土への道を歩むことを意味します。そして、やがて訪れる死の瞬間に、安らぎと喜びをもって極楽浄土へ往生できるのです。どうぞ、皆様も安心して念仏を称え、阿弥陀仏の慈悲に包まれてください。
南無阿弥陀仏
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