乗林院の境内に、今年も梅の実が実りました。そして、梅雨入りの季節を迎えました。
雨は大地を潤し、田畑を育て、また、清らかな湧き水となって流れ出し、私たち人間が飲み、生活に用いる水になります。
そして、実った梅の実は、古くから梅干しや梅酒として親しまれ、疲れを癒やし、食欲を助け、身体の調子を整えてくれます。
梅に含まれるクエン酸は、疲労回復や殺菌作用があるとされ、暑さの厳しい夏を元気に乗り越える力を授けてくれます。けれども、雨の日が続くと、外出もままなりません。そんなときこそ、読書や映画鑑賞なども梅雨の楽しみのひとつです。
たとえば、私の好きな映画。是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』は、亡くなった人々が次の世界へ旅立つ前に「人生で一番大切だった瞬間」を選び取り再現する、という静かな物語です。登場する人々がそれぞれの思い出を語り合う中で、何気ない日常の幸せや、家族や人とのつながりの尊さが浮かび上がります。
人生もまた、晴れの日ばかりではなく、雨の日、嵐の日もあります。そんなときこそ、どうぞお念仏「南無阿弥陀仏」とお称えください。
阿弥陀さまは、極楽浄土から晴れの日も、雨の日も、どのような時も、変わらぬ慈悲の光をもって私たちを包んでくださいます。
南無阿弥陀仏
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