祝聖文 表白(おまいりの宣誓)

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正月表白文

謹みて新年の慶びを申し奉る。

過ぎし一年、阿弥陀如来の無量の光明に照らされ、当家ともども念仏の日々を歩みしこと、誠に有り難きことと存ずるなり。思ふに、世は無常にして、我が命もまた風前の灯火のごとく儚きものなれど、かかる尊きご縁を頂戴し、新たなる年を迎え得ること、これひとえに阿弥陀仏の大慈悲の賜物なり。この恩に報い奉らんがため、さらなる精進を重ね、念仏の教えを深め広むる所存なり。

阿弥陀仏の光明に包まれ、心穏やかに日々を過ごしたく存ずる。

法然上人のお言葉に、「ただ念仏して、み仏にたすけられまいらすべし。念仏よりほかに、たのむべきこと、なにごともなきなり」とあり。このお言葉は、我らが如何なる迷ひや苦しみの中にありても、ただ阿弥陀仏を信じ、念仏に身を委ねることで、救いの道が開かれることを教へ給ふ。

この尊き教えを胸に刻み、念仏を通じて深き平安を得たいと願ふばかりなり。

天下和順 日月清明 風雨以時 災厲不起 国富民安 兵戈無用 崇徳興仁 務修禮譲

「祝聖文」に示されし理想、すなはち世の中の平和と泰平、日月清らかに輝き、適度なる風雨にて大地を潤すこと、災害や疫病の不発生、国の豊かさと人々の安らぎを祈念いたす。

互いを尊重し、思ひやりの心をもって和合の世を実現することを、念仏と共に願ひ奉るものなり。これらの理想は、阿弥陀仏の浄土の如き世界に近づくための道なり。

「感謝の心こそが幸せへの道」との教えあり。日々の暮らしにおいて感謝の念を忘れず、阿弥陀仏の慈悲と先祖方への恩に報いる生活を心がけたく存ずる。感謝は心の平安と幸せをもたらす源にして、大事な人を大事にすること、その行ひこそが感謝の具体の形なり。我らはこの教えを実践し、縁ある人々との絆を深めゆかんと誓ひ申し奉る。

また、先祖への感謝を忘るることなく、その御霊に念仏の響きを届けん。我らが称ふる念仏の声が、先祖の浄土の安らぎとなり、阿弥陀仏の光明を届けするよう祈念する所存なり。そして、日々の暮らしの中で家族、友人、隣人を大切にすること、その思ひを具体の行ひとし、大事な人を大事にすることで、感謝がさらに深まる一年を目指したく存ずる。

阿弥陀仏に誓ひ奉る。今年もまた、数多の念仏を称へ、阿弥陀仏の本願を深く心に刻む一年と致したく存ずる。たとへ迷ひや苦難の中にありても、念仏を唱ふることによりて心の安らぎを得んと努むる所存なり。念仏の響きは心に深く響き、先祖と我らを繋ぐ光明ともならん。その響きが絶えることなく、さらには周囲の人々にも広がり、共に安らぎを得る縁となるよう切に願ひ奉る。念仏を通じて大事な人々との絆を深め、共に幸せを築くことを誓ひ申す。念仏の教えをより多くの人々へと伝へ、感謝を共有する中で共に平安を育む年とならんことを願ひ奉る。我らが称ふる念仏の声が、ただ自らの安らぎに留まることなく、周囲の人々にも光を届ける響きとなるよう。新たなる年が、当家にとり平和と調和に満ちし一年となり、念仏の響きが一層深く心に届かんことを願ひ申し上ぐ。この一年が阿弥陀仏の光明に包まれ、共に念仏を称へるご縁に満ちた年となりますよう、ここに深く祈り奉る。

南無阿弥陀仏。

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愛知県知多郡東浦町にある「浄土宗 乗林院。「心の拠り所」として多くの方に親しんでいただけるお寺にしたいと考えています。

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