時は文月(ふみづき)を迎へ、空は晴れわたり、
長雨明けの青き空に夏の兆しを覚え候。
此のたびは、先亡諸精霊等の御前(ごぜん)に額(ぬか)づき、
南無阿弥陀仏の名号を称え、讃へ奉り、
極楽往生の願いと、先祖、先亡の深き御恩に報ひんとて、ここに慎みて表白申し上ぐるものなり。
星まつりと称せらるる七夕には、
天の川を渡りて年に一度、織女(しょくじょ)と牽牛(けんぎゅう)、
相(あい)まみゆるとの言伝(ことづた)へあり。
その清らなる光の流れに、我ら、かの極楽浄土の救いの光をも仰ぎ見るがごとし。
阿弥陀如来は、凡夫のわれらがために四十八願を誓い給ひ、
元祖法然上人の「ただ一向に念仏すべし」とのお言葉のごとく、
南無阿弥陀仏の名号をば、すべての衆生の依りどころとしてお示し下されし。
今を限りの命と思わば、なおさらに名号は尊く、称えるごとに仏の光明は我が身に注がれ、煩悩の闇は自然に晴れてまいらん。
かかる勝縁、まことにありがたく、ただただ報謝と極楽往生の心をもって念仏申し奉るのみ。
南無阿弥陀仏
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