乗林院– Author –
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春は必ずやってくる。
今年も春がやってきました。まだ風の冷たい日もありますが、あたたかな陽の光や、春の息吹を感じる日々です。けれども同時に、花粉症を患っておられる方にとっては、春は必ずしも待ち遠しいものとは限りません。くしゃみ、鼻水、目のかゆみ……私も花粉症持... -
卒業式によせて
過日、3月15日に行われた御忌彼岸会では南山大学さんの落語と、愛知学院大学さんの漫才が面白く、若いっていいなぁと感じました。お出ししたお菓子の評判もよく、無事にお勤めすることができました。ありがとうございました。 この時期は卒業の季節で... -
御忌彼岸会表白
凍れる冬の厳しさもやや緩み、陽光は大地を潤し、万象ことごとく甦りぬる春の気配、枝々には新たな芽吹きの兆しあり。宗祖法然上人の御忌を仰ぎ奉るとともに、御忌彼岸の法縁を謝し、仏祖の大慈悲に報い奉ることの幸いを、深く感ずるものなり。顧みれば、... -
弥生(3月)表白
令和七年三月弥生表白 仏説無量寿経の深義を仰ぎ奉り、無辺なる阿弥陀如来の大悲に帰命し奉る。春分の候(こう)を迎え、天地和(やわ)らぎ、風温(あたた)かに、草木(そうもく)芽吹くこの佳(よ)き日に、仏壇を御前に当家の法要を修し、み仏(ほと... -
登山状について
法然上人が述べ、聖覚上人が筆録したといわれるもので、比叡山や興福寺など、いわゆる旧仏教勢力が専修念仏を非難し弾圧する中で、それらを和らげる目的で書かれたものを登山状と呼びます。 「世の中には様々な仏教の教えがあり、それぞれが尊く、人々を救... -
引導について
同じものは存在しない。 引導とは亡き人を引き入れ導くこと。道案内をすること。仏教では特に衆生を仏道に引き入れて、導くことを意味します。現在では葬儀式のときに導師が炬火たいまつを持って引導の句を授けることをいいます。 下炬(あこ)とは引導に... -
小さなお葬式
やることは絶対変わらない 近年、近しいご家族やご親族だけで故人を見送る「小さなお葬式」が選ばれることが増えてきました。コロナ禍を経て時代の変化とともに、葬儀の形式も多様化しています。規模が小さくなったとしても、故人を偲び、冥福を祈る気持ち... -
来世のお話
私たちは、死んだらどうなるのか、誰もが一度は考えたことがあるでしょう。不安や恐れを抱きます。しかし、浄土宗の教えは、私たちに希望を与えてくれます。 私たちの世界は、六道輪廻の中にあります。六道とは、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天の六つの... -
法然上人おもしろ話
法然上人は「知恵第一の法然」と呼ばれ、革新的なお念仏の教えを経典から解き明かした偉大な方ですが、 優しくお茶目な一面があります。 「一百四十五箇条問答」という法然上人と人々とのQ&Aをまとめた書物がありますが、その中に Q「お酒は飲んでもい... -
御忌彼岸会について
2025年3月15日に御忌と春彼岸を合わせた御忌彼岸会を行います。 御忌とは-今から813年前、80歳で亡くなった法然上人を偲ぶ会です。御忌という呼び名は皇族が亡くなった場合に用いられるもので、僧侶で御忌と用いられるのは法然上人ただ一人で...